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株の世界では、投資家の9割の人が、含み損を抱えているといわれます。含み損とは、買った株の値段(投資額)より現在の値段 評価額 が低いという状態です。投資経験10年以上のベテランでも、そんな状態です。なぜそうなるのでしょうか。先に述べた人間の心理すなわち欲望に加え、投資環境が、高度経済成長時代から、低成長に大きく変化したこと、さらに情報化の進展で、株の売買スピードが格段に速くなっているためです。高度成長時代には、経済全体が右肩上がりで成長し、株を10年間保有していれば、2倍、3倍になりました。現在は、保有期間が長くなるほど、株価低下のリスクが大きくなっています。しかも、コンピュータによる売買スピードがアップし、株価の下落はまさにあっという間です。こうした時代に、初心者が株式投資で利益を上げるためには、まず、買った株価の損切りラインの目安をあらかじめ定め、 逆指値 などの形で、自動的に売却することです。損切りラインをどの程度に定めるかは、銘柄の業種、過去のトレンドなどで異なりますが、「損は早めに処分する」の鉄則から、買値より5~10%下がったラインを目安にするとよいでしょう。もちろん、景気回復局面で、株価が上昇傾向にある場合は、損切りラインはそれより小さくても構いません。しかし、損切りラインのルールを決めたら、必ず守らなければなりません。投資家の多くは、企業の財務内容がよく、成長性があるにもかかわらず、株価が割安に据え置かれている銘柄に投資します。こうした投資は、長期バリュー投資 割安株投資 といわれます。長期バリュー投資であっても、株価は突然下落することがあります。それに備えて、損切りラインは必ず設定するようにしましょう。